1988年4月渡米した際には、電子辞書はありませんでした。それゆえ、勉強をまったく学生時代しなかった私は、高校生の頃に使っていた旺文社のシニア英和辞典を持参して行ったのです。とてもきれいで、書き込みが20数個くらいしかなかったきれいな辞書でした。

ところが、すぐに自分の過ちに気づくのでした。中高生の頃、辞書をしっかり使わなかった私は、それすら気づいていなかったのですね。英単語を引いても、日本語に直すと違和感がある!そのままの意味でその場で使えないことがあまりに多かったのです。近いけれども、フィット感がないということがほとんどで、コレコレ!という実感がさほどなかったのです。

そこで、私は、いわゆるESLの中で英語ができる人の所持品を観察することにしたのです。そこで、Websterの英英辞典を購入しました。うれしいことに、このWebsterという辞書の出版社は、私と同じ誕生日だったというおまけつきでした。https://en.wikipedia.org/wiki/Noah_Webster

けれども、最も使いやすい、ESLの生徒に人気があったのは、Longmanでした(笑)。

その日から、英和辞典と英英辞典を2つ引く、という作業を開始してみたのですが、やはり違和感の原因は決定的にはわかりませぬでした。とはいえ、徐々に英和辞典を使う必要はなくなっていきました。おそらく半年後くらいでしょうか。航空学校に行ってからは、再度2冊を同時使いすることが2か月ほど続いたのですが、その法則性のようなものを見極めてからは、また英英辞典のみとなりました。

そして今不便に感じているのは、生徒さんに教えるためには、英和を使わねばならない機会が多いこと。私は英和をほぼ使っていない経緯もあり、日本語に変更することができないので、ぱぱっと答えたときに、英和辞典とは違うことが多いのだな、とは思うのですが、「やはり私の感性辞書は正しい」ということの証明が続いています。

まず着目してみたいのは、電子辞書です。電子辞書は長い目で見たときには、記憶に留まりにくいので、あまり推奨したくはないです。本当に急いでいるだとか、外出中であれば、もちろん「例外」として使っていただくのはOKですし、上記に書いたような「推測力」「語彙レパートリーの分類や法則性」が身に付いた段階では特に問題はありません。体感として語彙がフィットするという実感がないタイミングで、電子辞書を頻用すると、おそらく同じ単語を何度引いても、気付かない確率が高くなってしまうのです。

Weblioでは、同じセッションで同じ単語を引くと、「2回目です」等が出ます。会員登録すると同じ機能が使えるようですが、そうした機能がなかった紙辞書の頃には、蛍光ペンの色違いを使い、4回以上引いてしまった場合は、ポストイットでその単語を額(おでこ)に貼って、キャンパス内を歩いてみることにしました(笑)。それを数回続けたあと、辞書の引き方が変わりましたから、かなり効果があったんだろうと思います。頻度も少なくなり、推測力がつき、Readingは単語を気にするというよりは、映像にして物語性を重視するようになり、むしろその単語について説明してくれた友人たちの顔が思い浮かぶようになりました。また見たいなと思う反面、私ごときの小さすぎる悩みに、善人のみなさまを巻き込み、本当に申し訳ないなと、自力で何かをできると信じたい気持ちも強くなりました。

渡米してからの盲点だったのは、和英辞典ですね。すでに持っている語彙を単純に英語化するだけで、「自主性」「主体性」が自然と増えるのです。言いたいこと・伝えたいこと・相手にわかってもらわねば埒が空かないこと、などに着目して暮らしていけるようになります。当時、和英辞典を準備してこなかったため、友人にぼやいたら、日本から送ってくれました。本当に感謝しています。

結局、頻度でいえば、最も使った辞書は:

<初期>

和英

英和

英英

の順番だったのが、

<中期>

和英

英英

英和

になり、

<日常>

和英

英英

のみ

へと移行していきました。

英語に囲まれれば囲まれるほど、ヤマ勘・推測力は研ぎ澄まされていき、英和辞典は要らなくなっていたのでした。

辞書の使い方で、英語の進歩が測れ、さらに脳内がどのように変わってきたかわかってきます。ぜひとも着目してみてくださいね。