教える便宜上として、英語にも体育にも算数にも図画工作にもレベルがあるとしたほうが、教える方がラクなのでしょうね。しかも、それを説得できたら、生徒さんが自分の専門性にとても深く傾倒してくれるという保証付きですから、あるとしたほうがオトクが多いのかもしれません。

たとえば日本語で考えてみましょう。

日本語のレベルを考えて話したことがあるでしょうか?うーん、まったく話が通じない人は、確かに遭遇したことがあるかもしれません。が、それはモノの考え方の違い、捉え方の違い、心の入れ方の違いや視点の違い、価値観の違いやバックグラウンドの違い、といったことのほうが圧倒的に多くはありませんか?

ついぞ気になるのは、「は」を「わ」と表記したり、「そういう」を「そうゆう」と表記したり、ですが、書かないとわからないですしね。会話では、呼びかけで、「あなた」を「あんた」とか、「みんな、あの人たち」を「連中」などと表現することですが、その語彙選びも、畢竟、生活の中で培ってきた価値観の違い、世界観の構築の中から何を引き出してくるか?という違いです。

文法・数学・美術・化学・生物などなど、どんな強化にしろ、基礎をどう捉えているか?が問題なだけで、あとのレベルは、個体差でばらつきがあるというだけの話です。それをスコア化したり、偏差値化するのは、教えるほうや、まとめる側が「簡易的にこなせる」という便宜の話な気がします。

料理に関しても、掃除に関しても同じですし、歩き方や柔道やテニスでも同じことでしょう。基礎をしっかり身に着けていれば、その後のレベルなどどうでもいいような気がしませんか?その基礎というのは、コレ!であると言い切れるかどうか?というのは、限りなく教える側、説明する側、付随する物を売る側、などの問題であって、受ける側はそれをしっかり見極める眼力を持っていればいいと思えるのです。

じゃぁ、基礎って何よ?と問うたときに、しっかり相手にわかるように伝えられるかどうか?が、真価なのだろうと、私個人は考えています。暗記しないといけない、これだけはみっちり、これができなければ無理などなど、たくさんありすぎるのが基礎なのでしょうか?

ひらがな・カタカナ・基礎的漢字がわかれば本は読めるようになります。知らない語彙が出てきたときも、環境によれば、他人に質問すればいいですし、母や兄や姉、先生が面倒だから教えてくれない回数が増えたら、辞書を引くことを学べばいい。何度も同じ単語を引くことで自分のことを呪うような気持ちになったら、二度と引かないための工夫をすればいい。暗記などする必要がどこにあるのでしょうか?整理整頓するための難易度なども、その個体・個人が得意とする分野や好き嫌い、使う頻度の違いなど、多様性があって然りです。なのに、単語帳などを作って無理強いすることはナンセンスですし、それをテストにして圧迫感を与えることで、「レベルが達していない」などと言い放つのも、教える側の怠慢だと、私は考えます。

必要じゃないことでもおもしろいことだから、と自ら求めるようになることが、料理であれ、掃除であれ、買い物であれ、バスケットであれ、スキーや登山であれ、自分の人生や生活が充実するために、あれれ、勝手にやりたくなってる!という状態になるように、準備することこそが、基礎だと私は考えています。

英語のレベルをどうしても定義したいのであれば、鳥瞰図・俯瞰図を見せて納得がいく説明ができるようにしないと、英語の学習は果てしない、というだけの落胆で終わってしまいます。

TOEICにしても長い長い英語使いの日々が先に待っていると考えると、250点から900点くらいまでは、緩やかな進歩でしかなく、伸び悩む理由は限りなく、その基礎に足し前している学習内容が、継続できないものだったり、段階的な何かを落としていることだったり、間違っているものだったり、といった教える側の提示地図間違いの気がするのです。それよりも、価値観・捉え方・認知などを大切にした段階づくりで、早いところたくさんの成功体験をするススメへとしたほうがいいのです。

しかも、何よりも大切なことは、ヒトはみな特別でユニークで微妙ではあるが重要な差があるということです。Slight, but significant difference(s)に着目しない限り、本当の意味での学びは進まず、定型・基準・既製品が出来上がるだけだと思えるのです。

とはいえ、それらをしっかり作り上げるには、先生 vs 生徒の比率が問題になるのだろうと思うし、自分のことを知りたいという好奇心や、ある専門性(ここでは英語)をマスターしたいという希求心が大切で、そもそも押し付けられた「英語はゼッタイ大切!できなければならない!」といった見地からは、なかなか「初めの一歩」が難しいでしょうね。こうした環境の中で、マイペースで自分にぴったり合ったものをいっしょになって探してくれる先生や師、仲間や友人や同僚に出遭うことは、僥倖なのかもしれません。

こうした難しさを踏まえて、どうして英語を教える仕事をしようと思ったのか?私はどこかおかしいのか?と、思わないでもないのですが、レベルに特に関係なく、Kick Me English:独学基礎英語大全を作りましたが、それでもうんとハードルが高い方のために、Kindle本でしか今は発売しておりませんが、Nativeが学んでいる英語 そうか!Nativeはこんないいまわしを学んでいるんだ をAmazon jpにて販売しております。

今後もみなさまがどのように英語を学べば、本当に使えるようになるのか?を日々考えていく予定で、レベルとは違った切り口でお見せできることを楽しみにしています。