過去記事を読んできていただけた方は、すでに書き換えなどはできないのではないか?と、強く疑っていらっしゃると思うのですが、念のために書いておくと、

  • 英語の本質と日本語の本質には違いがあり、対訳はかなり大雑把である
  • 時制の数が圧倒的に違うため、英語の時制を日本語に直す形で理解しているとズレが出る
  • 英和辞典に載っているVocabularyには本来の意味と差ができてしまうものが多い
  • 英語では察することが第一義ではないので、文化やバックグラウンドを共有していないとコミュニケーションにズレが生じる

ということもあり、書き換え問題の典型である、「日本語⇔英語」は、本来の意味から遠く離れてしまう可能性が、非常に大きいのです。

もうひとつ問題があります。1つ前の記事に書いた時制ですが、ある時制で書いたものを、過去形・未来形・現在形などの違う時制に直しなさい、というもの。「それは言えない」ということがいくつかあるのですが、時制それぞれの特徴が体感として入っていない限り、書き換え問題を繰り返す中、「何が間違っていて言えないことなのか?」というのがわからないまま、実際に使っている人を、私個人は何人も何回も見ています。

もう少し具体化すると、助動詞の使い方がまた問題です。日本語に直したもののニュアンスと敬語が混じったものがあり、これでまたもやズレが生じてしまいます。助動詞には2つの種類があることを、そもそも学んでいないことが問題です。ひとつは、時制を表す助動詞、もうひとつは相(Aspect)を表す日本語の語尾に意味が付加される助動詞で、この助動詞の差をごちゃごちゃにすると、英語がつまらなくなります。しかも、日本語での差が文化的バックグラウンドの意味を付加したものがあるので、多様的な文化を扱う英語では、「なぜそれ?」ということにもなりやすいのです。

その時Native側では何が起きるのか?わかるでしょうか?

よくわからない → 少しトライしてみる → 相変わらずわからない → 推測に任せる

→ ギブアップ

ということですよね。微妙すぎる差なので、まずトライしてくれることは確かだと思います。特に仕事がらみであればしっかりとトライしてくれるはずです。けれども、根本的に話す側・書く側の日本人は、日本語をベースにしているわけですから、いつまで経ってもその根本が英語の基本にマッチしない限りは、いつまで経ってもいくばくかのズレは生じ続けていくわけです。

もしも書き換え問題をどうしてもしたいのであれば、英語を英語で書き換える問題であればいいと思うのですよ。これを Paraphrasingと呼びます。

たとえば「私はまだ死にたくない」という主旨を言いたい場合、

I don’t want to die.

というのが直訳です。けれども英語ではあまりこのような言い方はしません。

I want to live.

I don’t feel like dying.

I am not prepared to die yet.

I am too young to die.

I still have things to do before my death.

などなど、いろいろなParaphrasingができるのです。この中で、イチバンフィットするものが何なのか?を感じ考えるために、いろいろな書き換えをしてみるのはいいと思いますが、日本語をそのまま訳すような書き換え問題は、英語をどんどん使っていく方向性には、水を差します。固定化した表現を使う傾向を鼓舞してしまい、微妙な差を、理解することも表現することも、まだまだ難しい期間がぐーんと長くなっていくのです。

ですから、Precious One English Schoolでは、自然と英語→英語のParaphrasingができるExercise演習問題を選んでおり、対訳の余地などないような方向性で、レッスンを進めております。日本人に英語を教えることがあなたの最終目標でなければ、翻訳家になることがキャリア選択でなければ、これまでの対訳に関しては、すべて捨て去り、体感として直感として、自然に使える形を採用したほうがいいわけです。

私個人の日常は、たまにやらかしてしまうのですが、「あれ?コレ日本語でなんて言うんだっけ?」というもの。日常的には、英語は英語、日本語は日本語で暮らしており、このレッスン時にたまにごちゃごちゃになることがあるのです。困りますね(笑)。ただ、日本の文化については、その変わり身のスピードの速さにたいへんに驚いております。私が最初に携帯を見て、インターネットに接続できるときには、i Modeというものでしたが、それ、もう死語ですよね(笑)。ひょっとすると、日本語では新語として認知されないものでも、簡単に淘汰されてしまうのかも??と思いながらも、どうだろなぁ・・・と疑いながらも、やはり生活の中に入っている語彙は、自然に増えています。

英語でも同じことができれば、使えるまでの道のりは、とても短いものになります!