前回パイロットを志そうとされたお話を伺いましたが、はじめて空を飛んだ時の気持ちは憶えていらっしゃいますか?

 

強烈に憶えていますね。最初にソロフライトの予約が入ってたときにガソリン入れて、点検終えて、一人で飛び立つときにもう、リクエストが出来ないのですよ。離陸の。Taxiing:タクシーイング(飛ぶのではなく自力で空港内を移動すること)という飛行場の中で一番適した滑走路から飛ぶ支持を受けるための。緊張しすぎてHovering:ホバリングというのが全然出来なくて、ちょっと上にあがってはドスン、と。「肩の力抜いて深呼吸して!」と外からドンドンと先生が叩いてくれましたね。忘れもしない、Bob Johnsonジョンソン先生です。

とりあえず一周してビビッてしまい、戻って来てしまったのです。「女の子だからしょうがないな」みたいな顔をされてときに「チクショウ!」ってなってそのあと落ち着いて、万全を期して、イメージトレーニング後、50分間飛びましたね~。

緊張したときは機内で日本語の歌を歌っていましたよ。

 

何の曲を歌われたんでしょう(笑)

 

「東京だよおっかさん」だったかも(笑)注:島倉千代子が故郷の母を東京に招いた描写の歌

 

その後心理学を学ぼうと思われたのは何故ですか?

 

これが、個人情報暴露していまいますが、私17歳のころ躁うつ病と診断されたのです。その躁うつ病すらわかっていませんでした。当時はメンタルクリニックとかでもなく精神科でもなく、小さな内科にプラス精神科を標榜しているような。もう亡くなられた先生ですが、ものすごく感謝しましたね。

そのころはバイクばかり乗っていました。原付と中型二輪とか。飲酒運転してみたり、パラリラパラリラ~♪している人の後ろについてみたり。問題児だったわけですよ。学校休んだりバイト休んだりはしていませんよ。ただ、バイクの事になるとエネルギーが溜まってしまう、みたいな。

事故を起こすことはありませんが、自損というか、自分で自分のことを無防備にすごく速く走ってしまうというか。それで燃え尽きたような感じになったときに、内科の受診をした時に相談してみたところ躁うつ病だと診断されました。すごくびっくりしましたが、つじつまが合い、とてもすっきりしたのです。当時はまだ精神的な病気が揶揄される時代でしたが、自分としてはストンと落ちたな、という感じでした。それで図書館に行き色々調べてみたのですが、難しいですよね。哲学書読むくらい難しく感じたかも。

アメリカに行った時にふと思いだして私、航空学、気象学、物理学、力学、航空法も出来るから心理学もできるんじゃないの?と思い、色々もやもやしていたことが解決できたらいいな、というのと、日本よりアメリカのほうが進んでもいましたから、心理学を志しました。そうしたら世界のすべてが綺麗に見えましたね。だから心理学はいいチョイスをしたなと思います。

生きるのがラクになりましたよ。なぜ日本よりアメリカのほうが向いているのか、アメリカに来てから日本人村みたいな場所に戸惑いを感じるのは何故なのか、そういうのがクリアになりました。

会社員になったこともないですし、普通ではないですが、それでいいんだ、自分らしいんだ、と思えたことでとってもラクになりました。50歳過ぎた今、とってもラクな気持ちで過ごせています。

 

(21)につづく