Listeningの勉強法 2 | なぜ日本語と同じように聴けないのか・Listening & Hearingの違い |
すでに何度か触れた通り、英語はLow contextです。狩猟民族として発達した「必要のある表現」に関しては、日本語より意味の幅が狭く設定してきました。ListeningとHearingの違いも同じです。日本語では、漢字を使うことにより、意味の違いを醸し出していますが、音は同じです。

ここで、オンライン上で、HearingとListeningの違いを調べてください。
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できましたか?簡単だったかと思います。これで意識は上がってきたと信じて進みます。
和製英語で「クライアントにヒヤリングする」などという表現がありますが、ものすごく間違っていることに気づいていましたか?英語では、「公聴会」のことをHearingと呼ぶことがあります。聴力と同じレベルの話なのです。耳がある人は誰でも聞ける・聞く権利があるといった内容のものをHearingと呼ぶので、クライアントの企業・個人情報を漏らしていいのか?と思ってしまうところです。
ここで教材の選別もできますよね・・・?ヒヤリングと銘打っているタイトルや内容では、その著者はごく初歩的なレベルで、英語をわかっていないと判断できます。ただし、「ヒヤリングマラソン」は、内容的には悪くないかなぁと思うのですが、Precious One English Schoolの方法よりも時間がかかります。なぜならば1000時間ほどを必要とするからです。Precious One English Schoolでは、270-350時間くらいでListeningの勉強は必要ナシをメドにしています。数字にするとかなり劇的な差です。方法論としても、大筋はいいかなぁという印象です>取り寄せてじっくり見てないのです。ごめんなさい。<(_ _)>
さて、英語はなぜ日本語と同じように聴けないのか?これが問題です。絶対的な理由は、音の数が違うからです。
日本語が110音ほどですが、英語はどのくらいあると思いますか?1050音もあるのです。これに訛りなども加えると、2000以上になるとも言われています。が、あまりにハードルが高いとつらいので、1000としても、ほぼ9倍です。
ヒトの聴力ですから、いくら進化したとしても、後天的学習で音はほぼ聴けるようになります。問題は、
- 何を教材にして
- どのように
- どのくらいの時間かかって
ということですよね。日本に存在する多くの英語教材は、
- 意味を取ること
- 音を聴けるようになること
をごっちゃにしています。まずシンプルなのは、音を聴けるようになることです。日本語のヒトの声にない音をあと900ほども入れないといけないのですから、意味を取るという高度なことは後回しにしたほうがいい。じゃないですか?
しかも、単語という負荷がないほうがいいし、緊張感を持ち、1日3時間なんて無理に決まっているし、ListeningとHearing、どっちをしているんだろう?などと思うことそのものが少し悲しいです。
英語はさらに、日本語と違い、音を繋げてLinkingして音の省略をして変化をつけたり、ストレスがあったり、抑揚の違いをつけてあり、音の長さもそれぞれ違います。日本語は、母音の「あいうえお」に対して、子音がついたとしても、音の長さは変わりませんし、かなりフラットに発話します。ゆえに、方言などで抑揚がつくと、標準語しか話さない人々には難しいのです。日本語でも「そうなのです」を「そうなんです」などと略語していて音を変化させてはいるんですが、ごくごく微量なのですね。英語はそれに比してものすごい数です。He is を He’sと話すだけで、音が変わります。できない日本人は多いです。 ^^;
ここで大切なのは、Self-serving biasという心理学概念です。Listeningでもこれが幅を利かせることになり、音として流れているものでも「聴いていない」という不思議な現象が起きます。
Self-serving bias:自分に都合のいいように世界を眺め解釈すること。好き・利益になるように解釈してしまう傾向と、逆に自分が嫌いなもの・損を被るものにも着目が大きい。
客観性が低くできてしまっているのがヒトです。これをなるべくなだらかに、客観性をしっかり意識していくことで、英語のListeningもまた早く上達します。この段階で、「無理」「難しい」と思うよりは、「違うからおもしろい」「やる気がそそられる」と思えたほうが、上達は早いです。
この客観性のためにも、Listeningが進み、発音矯正やSpeaking Exerciseをしたときには、ICレコーダーなどで自分の声を録音し、客観的な評価をしていくのが大切です。チャットワークでは音源の添削も承っております。どの発音がよくて、どの発音がイマイチなのか、なども展開していけるんですよ。
本日は、自分がSelf-serving biasがどの程度強いのか、少し冷静に考えてみましょう。あなたのグセの中に、「聞いてないよー」「言ってなかったよね?」というのはないでしょうか?頻用している場合は要注意です!時間があれば、音の数についてのサイトを読んでみてください。